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【橋本英郎】3バック採用で攻撃の迫力が…。日本代表はこのままでコパ・アメリカを戦えるのか

守備ラインのコントロールは申し分なし

冨安(左)、昌子(中央)、畠中(右)が形成した急造3バック。筆者は巧妙にバランスを取っていたと評価する。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

コパ・アメリカ(南米選手権)を控える日本代表に、ふたたび注目が集まっています。今回は水曜日のトリニダード・トバゴ戦について、試合を見た感想を書きたいと思います。
 
 本当は久保建英選手について印象を述べたかったのですが、残念ながらメンバー外。それでも個人的には、東京ヴェルディで同僚だった畠中槙之輔選手が出場していたので、勝手にテンションが上がりました。一気に1年足らずでここまで駆け上がったのですから、素晴らしい成長曲線。ビッグトーナメント直前のタイミングにしてスタメンで出ているのは、なんとも嬉しいかぎりです。
 
 さて試合のほうですが、やはり気になったのはテレビ解説の方と同じく「3バックへのチャレンジ」。この点に重点を置きながら、試合分析をしてみます。大きく分けて、守備と攻撃。それぞれ守備はふたつ、攻撃は3つのポイントを挙げさせてもらいます。
 
 まずは守備から。
 
 ディフェンスラインのコントロールについては、本当に上手くできていたと思います。とくに前半は相手が最終ラインでボール回しをしているとき、中盤のエリアに入ってきたとき、そして相手がバックパスをしたときと、3つのシチュエーションでアップダウンを繰り返し、実にコンパクトな陣形を取っていました。
 
 後半は相手のアバウトなクリアボールから危ない場面が生まれたことで、敵ボールになった際に少しラインを上げ切れない時間帯もありましたが、トリニダード・トバゴの疲れもあって、ゲーム終盤には再度コンパクトさを整えられていました。
 
 DF3人の距離も悪くなく、ときには相手の3枚のフォワードにそれぞれが受け持つ形になりながらも、互いにカバーリングし合えていたので良かったと思います。

ふたつ目は、相手ボール回しに対してしっかり前線と連動できていた点。トリニダード・トバゴのパスワークは正直、距離感が良くなかった。そこを差し引いても日本は上手く高い位置でボールを奪えていましたし、敵のロングボールに対してもカバーが取れていました。
 
 危なげな時間帯もありましたが、相手の疲れで試合が途切れたこともあり、綻びは大きくなりませんでしたね。

攻撃のイメージの共有を、どこまで落とし込めるか

途中出場の南野(9番)が果敢に狙う。終盤の日本はより攻撃に人数を掛け、厚みが増した印象だったが……。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

次は、攻撃に関してです。
 
 最初のポイントはセンタリング、クロスからの得点パターン。こちらは相手に体格的な高さと厚みがあったため、単純なクロスを送るだけでは跳ね返されます。どのように工夫してチャンスを作るのか。この点では課題が見られました。ただ、すべてがダメだったわけではありません。
 
 マンチェスター・シティーがよくゴール前で、グラウンダーのクロスを通して足(インサイドキック)でゴールすることがあります。前半は酒井宏樹選手から大迫勇也選手へ、後半は長友佑都選手から大迫選手へ、GKとディフェンスラインの間に速いボールがよく入っていました。中への入り方が良いときには、ゴール前に1枚しか入り切れなくても、チャンスを作れるものです。
 
 問題としては、クロスを入れてズレたとき。他の選手がそれに呼応してアタックできていたかというと、ほとんどのシーンで疎かでした。終盤になって人数を掛けられるようになり、原口元気選手、室屋成選手ら両ウイングバックが積極的に絡むことで、クロスに対してのバリエーションが増えました。やはりそうなると、相手の対応も後手に回っていたように思います。
 
 ふたつ目は、コーナーキック、セットプレーです。
 
 水曜日の試合のようになかなか点が取れない展開では、セットプレーは試合の勝ち負けに大きな影響を与えます。この点では、どちらのチームにとってもチャンスであり、ピンチでもありました。
 
 このセットプレーの部分にどれほどこだわり、トレーニングに時間を割いたのかは分かりませんが、ここ最近の代表戦では特定の選手しか点が取れていないように感じます。トリニダード・トバゴ戦では昌子源選手にチャンスがありましたね。あそこで決めていれば、もっと得点を取れる流れになったのではないかと思います。
 
 逆に相手コーナーキックではピンチがありました。シュミット・ダニエル選手の正面に飛んだから良かったものの、あのヘディングシュートが決まっていたら、その後の展開は分からないものになっていたでしょう。

最後が、パターン、形のある攻撃です。
 
 これはひとつ目、ふたつ目にも繋がりますが、ボール回しから最後のフィニッシュに至るまでの「イメージの共有」ができているか。まだ新しいメンバーや練習時間が少ないなかで、どこまで落とし込めるのか。これによって、ゴールを決める確率が変わってくると思います。
 
 クロスの飛び込む人数などはやはり、3バックシステムのため、足りていないシーンが多かったですし、中央から崩す際もあとひとつ、という場面が多々ありました。
 
 ある程度は個の能力で上回れたので決定機も掴めましたが、コパ・アメリカではそう簡単にはいかないと思います。そのためにも続くエルサルバドル戦、そしてコパ・アメリカでは、みんなが共通のイメージを持った崩しを見てみたいです!

3バックと4バックの併用が実現すれば──

3バックで守備のバランスは取れていましたが、逆に、攻撃のバランスやバリエーションは減ったように感じました。このフォーメーションで勝負するのならより共通理解を高めて、自分たちのフォーメーションとして磨き上げなければならないと思います。
 
 もちろん、3バックと4バックの併用が実現すれば、相手チームの分析はそうとう難しくなります。その第一歩が水曜日の試合だったと考えるならば──。まずまずの評価は与えられるのではないでしょうか。
 
 試合を重ねるごとに成長する日本代表に期待しつつ、引き続き応援していきたいと思います。
 
<了>
 

橋本英郎(はしもと・ひでお)

この記事について:
サッカーダイジェストWEBより転載
http://www.soccerdigestweb.com/news/detail/id=

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