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【現役の眼】元日本代表MF橋本英郎が見た、森岡亮太の「進化と真価」「長所と短所」

(C)Getty Images



今回は、日本代表に選出された森岡亮太選手について書いてみようと思います。


まずは第1印象から。


出会ったのは僕が神戸に入団した2012年です。森岡選手は海外のクラブに練習参加していたため、少し遅れてプレシーズンのキャンプに合流しました。少し特殊なパターンでしたね。当時のヴィッセルは、カウンターサッカーを得意としていました。その中で森岡選手は異質な存在だと、チームメートやスタッフが口を揃えて言うのが印象的でした。


実際に本人のプレーを見て、視野を確保するのが上手な選手、キックの質感が良かったのを覚えています。その頃の彼のチームでの立ち位置は、カウンターサッカーのもと、後半の苦しい時間帯で攻撃に変化を付けるためのスーパーサブ──そんなポジションでした。まだ年間を通して、スタートで使えるような選手ではないと判断されていたのです。


確かにプレーに波がありましたし、いい時は止めようのないプレーをしますが、ダメな時は気持ちがノッていかないような感じで、適当なところもありました。


そんな彼の転換点は、2013年のJ2降格だったと思います。落ちたことで主力選手が他クラブに流出し、また対戦相手のレベルの変化によって、ヴィッセルの戦い方に変化が生まれたのです。


ポテンシャルは高かったけれども、チームスタイルとは違う異なるプレースタイルだった森岡選手。そのために中心選手になれなかったなか、ようやくチャンスが巡ってきました。それをしっかりモノにして、実力を存分に発揮できるようになりました。


では、彼の特徴、長所と短所をどんなところにあるのかを具体的に考えてみます。いろいろな見方はあると思いますが、今回は僕の意見として書かせてもらいます。長所が5つ、短所が3つ。やはり長所が多いほうがいいと思うので、このようにしました。


(C)写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)



長所から始めましょう。


[1]キックの質は抜群
長いスルーパスを出せるインサイドパス。これは本当に大きな武器です。ガンバ大阪の遠藤保仁選手もインサイドパスのミート技術が突出していますが、森岡選手も同様にボールの中心をしっかり蹴れるので、綺麗な弾道で味方選手に届けられます。速くて強い、そして重さも感じられるパスを出せるのです。


この技術はシュートにおいても活きていると思います。インステップで撃たないとゴールするのが難しい距離のシュートでも、コンパクトなミートでコースを狙って撃てています。


[2]運動量
これは、イメージとかけ離れているかもしれません。ヴィッセルで試合に出始めた頃は足がツッてしまったりで運動量が伸びないこともありましたが、ゲームコンディションが上がってきた中では、しっかりと走行距離を出せる選手になっていました。走っている距離が長いのに走っていない選手に見られることもあるようです。この点はガンバの遠藤選手も気にしていました。南アフリカ・ワールドカップで走行距離は1番だったのに、そのように見られないと。


現代サッカーでは走行距離が試合毎にチェックできるようになっています。ヴィッセルはそのシステムを早い段階から取り入れていたので、数字にしっかりと表われていました。


[3]身体の軸
最初に挙げた視野の広さ、確保をちゃんとできる身体の軸を持っています。もともと背の高さは十分あったのですが、強さの部分で物足りなさを見せていました。それが、筋力トレーニングを日々怠らず行なった結果、球際で強さを発揮できるようになったのです。


言ってみれば現役時代の中田英寿さんのように姿勢がいいタイプ。軸がしっかりすることで、より長短交えたパスを出せるようになりました。


[4]強靭なメンタル
本人と会った時にも話していましたが、僕がヴィッセルに入団する前から「将来海外で活躍するプレーヤーになる」と言っていたようでした。ヴィッセルはカウンターサッカーで、個人的にスタイルが合わないチーム。それでも自分自身のプレースタイルを崩さなかったので、チーム内で批判の対象にもなったようです。当時のコーチから「そんなプレーをしていて海外なんか行けるわけがない! 勘違いするな! 海外でやるのは諦めたら?」とまで言われたようです。


でも彼の心は変わりませんでした。自分の信念を貫いて努力を重ねてきたことで、現在ベルギーで頑張れているのだと思います。


(C)Getty Images



[5]得点力
今回の会見でヴァイッド・ハリルホジッチ監督も、その得点力について言及されていましたね。


海外ではアシストするだけでなく、点を取らないといけないということをしっかり理解し、それを遂行できるようになった。それが大きな成長分だと思います。もともとキックの技術、視野の広さが高かった。当然、キーパーの位置、タイミング、コースを見られるので、Jリーグにいた頃でもゴールを量産することはできたはずです。海外では、外国籍の扱いになります。いわゆる助っ人です。日本に来るトップ下の助っ人はパスばかり求めたりはしません。ゴールしてこそ助っ人なのです。


そのあたりの価値観をクリアにできたからこそ、ポーランドからベルギーへ、そしてベルギーのトップクラブへとステップアップできたのではないでしょうか。


以前、本田圭佑選手も最初に行ったオランダでアシストばかりしていても上のチームから話がまったく来なかった、と話していました。でもそれをきっかけにゴールを追求するようになり、フェンロで爆発的なゴール数を生み出しました。代表で共にプレーした時には、ゴールへの探究心を持ってプレーしているとも言っていましたね。


では次に、短所も挙げていこうと思います。


[1]守備意識の高低差が激しい
球際に強さを持つようになったことで、ディフェンスでもボール奪取ができる機会は増えました。しかし、そのプレーを続けられる時と休憩してしまう時とがハッキリしてしまっています。日本代表戦でも守備の緩慢さを指摘されていましたが、そのすべきタイミングを理解し切れていない部分がまだあると感じます。


[2]空中戦での戦い
基本的に海外のサッカーではヘディングでの争いが多く存在します。レベルが最高峰まで上がるとまた減ると思いますが、どうしても相手との力関係で負けている時には、戦わなければいけなくなります。森岡選手は空中戦から身体を上手く使って足下にボールキープをすることはできますが、ヘディングで激しく闘うのは得意ではありません。


例えば本田選手はトップ下の選手ですが、南アフリカ・ワールドカップではワントップをこなしました。その際は、高さで負けている中でも必死に闘うことで、2列目に並んでいた、松井大輔選手、大久保嘉人選手、岡崎慎司選手の3人が活きたのだと思います。


森岡選手はトップ下のポジションかもしれませんが、体格面では、日本代表の前線で大きな選手の部類に入ると思います。足下の技術だけでなくその点が身につくと、またプレースタイルに幅が生まれるのではないでしょうか。


[3]ドリブルで仕掛ける
この点は、短所として言うべき話ではないと思いますが、彼ならもっとできると感じているので、あえて挙げさせていただきました。ボールキープのドリブル、背後に付かれたマークを剥がし、スルーパスを出すタイミングを窺うドリブルは得意です。しかし、原口元気選手や久保裕也選手のように仕掛けて抜いていくドリブルは、そこまで披露していません。


スピードは決してある選手ではありませんが、本田選手も自分はスピードがある選手ではないことを自覚して、緩急、タイミングを見計らって仕掛けていました。そこは森岡選手もどんどんチャレンジして、相手選手が止めることができない選手になってほしいです。


以上が、僕の感じている彼のプレースタイルです。

写真提供:橋本英郎



ひょっとしたらみなさんのイメージとは少し違ったのかもしれませんね。また新たな視点で、森岡選手を見ていただけたら嬉しいです。


ロシア・ワールドカップに向けて残された時間はわずかになってきましたが、今回も代表に選出されたことで、もっとチャレンジをしてほしいと思います。「楽しむ!」と言うと語弊があるかもしれませんが、彼は過酷な環境下にあった最終予選を闘っていません。そういう意味で、新たな風をチームにもたらす存在になるには代表のゲームを心から楽しんで、ハードで厳しい試合、緊張感のあるスリリングな試合を楽しんで、新たなムーブメントを起こしてほしいのです。


楽しむ心が、遊び心のある“閃き”を生むはずです。


今回の欧州遠征は、ワールドカップ前のふるいでしょうし、言われたことをやらないといけない部分はあると思いますが、彼らしさがにじむプレーを代表戦で見たいと思います。


ワクワクできるマリ戦、ウクライナ戦を期待しています。


<了>


橋本英郎

サッカーダイジェストWEBより転載
http://www.soccerdigestweb.com/news/detail/id=37296

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